法令対応

取適法とは⁠|下請法からの変更点・対象・発注側の義務

公開 更新 文:和泉 みなと
取適法(とりてきほう)とは、下請法を改正して令和8年1月1日から施行された法律で、発注する側に、条件の明示・60日以内の支払・取引記録の保存などを義務づけ、減額や買いたたきなどを禁止するものです。正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」です。

この記事では、外注先に仕事を頼んでいる中小企業の経営者・担当者の方に向けて、次の7つをお伝えします。

  • 取適法とは(下請法から変わった点と、いつの発注から効くか)
  • 対象になる会社(資本金と従業員数の線引き)
  • 対象になる取引・ならない取引(ホームページ制作や士業との契約など)
  • 発注側の4つの義務(明示・支払期日・記録・遅延利息)
  • 発注内容の明示と、2年間の記録の残し方
  • 11の禁止行為と、振込手数料・値上げ相談の扱い
  • 違反したときの罰則と、今からやること

取適法とは|下請法から名前と中身が変わった法律

正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」です。長いので、e-Gov法令検索にも略称として「中小受託取引適正化法」「取適法」の二つが登録されています。もとは下請法と呼ばれていたもので、令和8年1月1日から施行されています。

変わったのは呼び方だけではありません。公正取引委員会の取適法施行に当たり事業者の皆様に御留意いただきたい事項などから、発注側にかかわる主な変更を並べると次のとおりです。

  • 対象を決める基準に従業員数が加わった(資本金だけでは決まらなくなった)
  • 対象の取引に特定運送委託が加わった(公正取引委員会の概要)
  • 手形での支払いが禁止された
  • 書面の名前と記載事項が変わった(「3条書面」は「4条明示」へ、「5条書類」は「7条記録」へ)
  • 協議に応じない一方的な代金決定が、新しく禁止行為に入った

いつからの取引に効くのかも、同じページにはっきり書いてあります。

取適法は、令和8年1月1日から施行され、令和8年1月1日以降に発注する取引について、取適法の規定(禁止行為等)が適用されます。

公正取引委員会「取適法施行に当たり事業者の皆様に御留意いただきたい事項」

去年までの発注をさかのぼって取適法で問われる、というつくりにはなっていません。見るのは、令和8年1月1日以降に出した発注です。

取適法の対象になる会社|資本金と従業員数で決まる

「資本金にかかわらず、すべての発注者が対象になった」と書かれているものを見かけますが、条文はそうなっていません。法2条8項は、委託事業者になる場合を6つ並べて限定しています。自社と相手の組み合わせが、この6つのどれかに当てはまったときだけ対象です。

取引の中身自社(発注する側)相手(受ける側)
物の製造・修理、運送、情報処理、プログラム作成など資本金3億円超個人/資本金3億円以下
資本金1,000万円超〜3億円以下個人/資本金1,000万円以下
デザイン、原稿、設計図、映像などの作成、その他の役務資本金5,000万円超個人/資本金5,000万円以下
資本金1,000万円超〜5,000万円以下個人/資本金1,000万円以下
物の製造・修理、運送、情報処理、プログラム作成など従業員300人超従業員300人以下
デザイン、原稿、設計図、映像などの作成、その他の役務従業員100人超従業員100人以下
法2条8項をもとに整理したもの。政府契約の支払遅延防止等に関する法律14条に規定する者などの除外があるため、判断は条文で確かめてください

見落としやすいのが、資本金が「1,000万円を超え」と書かれている点です。条文は「千万円を超え三億円以下」なので、資本金がちょうど1,000万円の会社は、この行には入りません。1円でも超えていれば入ります。

新しく加わった従業員数の基準は、資本金と並べて同時に見るものではありません。公正取引委員会は、御留意いただきたい事項のなかで「従業員基準は資本金基準が適用されない場合に適用されます」と書いています。まず資本金で見て、そこで対象にならなかったときに従業員数を見る、という順番です。

数え方も同じページにあります。数えるのは賃金台帳に載っている人で、正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイト、1か月を超えて続けて使う日雇いの人が入ります。派遣社員は派遣元が使用者なので、派遣先では数えません。FAQのQ7では、グループ会社の従業員も含まないとされています。

相手が個人事業主やひとり法人の場合は、資本金の線がないフリーランス法のほうも同時にかかります。あちらは資本金でも従業員数でも切られないつくりなので、混ぜて考えると判断を誤ります。フリーランス法で発注側がやることはフリーランス法の対応に分けて書きました。

相手の従業員数は、見積依頼書の一行で聞ける

取引先の人数を毎回調べるのか、と思われるかもしれません。FAQのQ13に、確認する義務はないと書かれています。賃金台帳を見せてもらう必要もありません。

確認したいときのやり方はQ15に出ています。見積依頼書に「従業員数が300人を超える場合は、以下のボックスにチェックを入れて返送してほしい」と書いておく方法と、相手に出してもらう見積書の備考欄に人数を書いてもらう方法です。記録に残る形が望ましいとされています。帳票を一枚直せば済む話なので、早めに済ませてしまってよいと思います。

人数は、発注した時点のもので判断します。ただしQ12に緩和があって、相手が前々月に賃金を支払った人数を前月末までに把握できているなら、その数を当月の発注の人数として扱ってかまいません。相手が事実と違う人数を答えたために違反になった場合は、是正は必要だけれども直ちに勧告を行うものではない、とQ14が説明しています。

取適法の対象になる取引・ならない取引

取適法にかかる外注とかからない外注。自社ホームページ制作・士業との契約・アンケート集計・建設工事の下請負は原則対象外、無償配布のカタログや有償提供コンテンツは対象
取引の中身が委託に当たるかを先に見て、そのあとで規模の線を見ます

規模の線を越えていても、取引の中身が「委託」に当たらなければ対象になりません。ここで対象から外れる外注は、思っているより多くあります。

自社のホームページの制作を外に出しているだけなら、原則として対象外です。FAQのQ43が、ホームページは通常は自社の宣伝に使うもので、その外注部分を自社で作る能力がないような場合には情報成果物作成委託に該当しない、としています。ただしホームページ上で有償で提供するコンテンツの作成を頼む場合は対象です。

弁護士、公認会計士、産業医との契約も対象外です(Q32)。自社が使う役務で、他社に提供する役務ではないという整理です。アンケートの入力や集計といった情報処理を頼む場合も、他社に提供するものではないので対象外とされています(Q46)。建設業を営む会社が請け負った建設工事を他の建設業者に請け負わせる場合も、法2条4項で外れています。

反対に、無償で配るカタログやポスター、チラシの原稿や印刷を頼む場合でも、それを自社で業として作ったり作らせたりしているなら対象になります(Q45)。「無料で配るものだから関係ない」とはなりません。

自社の外注を一件ずつ当てはめると、思ったより数が減ることが多いと思います。まずここで数を絞ってから、次の義務の話に進んでください。

取適法で発注側に課される4つの義務

対象の取引では、発注側(委託事業者)に次の4つの義務がかかります。公正取引委員会の委託事業者の義務のページをもとにまとめました。

義務中身
発注内容等の明示(4条)発注したら直ちに、発注内容などを書面か電磁的方法で明示する
支払期日を定める(3条)支払期日を、受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内に定める
書類の作成・保存(7条)取引の内容を記録した書類か電磁的記録を作り、2年間保存する
遅延利息の支払(6条)支払いが遅れたら、遅延利息を支払う

支払期日について、中小企業庁の中小受託取引適正化法のページには、給付を受領した日から60日以内で、できる限り短い期間内に定める義務があり、支払わなかった場合は受領日の60日後から年率14.6%の遅延利息を支払う義務がある、と書かれています。支払サイトの起算点と棚卸しの手順はフリーランス法の記事のほうに詳しく書いたので、そちらを見てください。

4つのうち、実務で手間がかかるのは明示と記録です。次の2つの節で、この2つを順に見ていきます。

取適法の4条明示|発注のたびに書面を出す必要はない

4条明示という言葉から、発注のたびに注文書を作って渡す作業が増える、と受け取られがちですが、実際はそうではありません。

公正取引委員会のFAQ Q48は、契約書の内容が明示すべき事項をすべて網羅していれば、個別の役務提供のたびに明示する必要はない、としています。明示に関する規則の1条3項にも、一定期間の発注に共通する事項をあらかじめ明示しておけば、その期間内の発注については「あらかじめ明示したところによる」と伝えれば足りる、と書かれています。

明示する項目は、同じ規則の1条1項に8つ並んでいます。

  • お互いの名前か、識別できる符号
  • 発注した日、給付の内容、受領する期日と場所
  • 検査をする場合は、検査を完了する期日
  • 代金の額と支払期日
  • 一括決済方式を使う場合の内容
  • 電子記録債権を使う場合の内容
  • 原材料を有償で買わせる場合の内容
  • 未定の項目がある場合の理由と、決める予定の期日

この8つが基本契約書に入っていれば、発注のたびには数量と納期を伝えるだけで足りる形が作れます。契約書の電子化そのものについては契約書の電子化でできることとできないことにまとめてあります。

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期限に間に合うかだけ、先に確かめる

制度は要件も締切も年ごとに変わります。自社が対象に入るのか、いまから動いて間に合うのか。判断に必要なのはたいていこの2つで、そこだけ確かめるための時間として使ってもらって構いません。

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単価や納期がまだ決まっていないとき

発注の時点で代金が決められないことはあります。法4条1項のただし書きは、内容が定められないことに正当な理由がある事項については明示しなくてよいとしたうえで、定まった後は直ちに明示しなければならない、としています。

空欄のまま出してよい、という話ではありません。規則の1条1項8号で、未定である理由と、内容を定めることになる予定期日を書くことが求められています。代金については、具体的な金額を出すのが難しいやむを得ない事情がある場合に、算定方法の明示で足りるという定めもあります(同2項)。

メールで明示してよいか

電子でかまいませんが、方法は二つに限られています。規則2条1項が挙げているのは、電子メールその他の受信者を特定して情報を伝える電気通信を送る方法と、電磁的記録を記録した記録媒体を交付する方法です。そして2項で、明示すべき事項が相手の画面に文字や記号で明確に表示されるものでなければならない、とされています。

電子で出したときだけ発生する義務もあります。法4条2項は、電磁的方法で明示したあとに相手から書面の交付を求められたら、遅滞なく交付しなければならないとしています。電子にしたのに紙を出すことになる、という話です。

ただし規則4条1号に、相手から電磁的方法での提供を希望する旨の申出があった場合は交付しなくてよい、と書かれています。申出は書面か電磁的方法によるものに限られます。取引を始めるときにこの一文をもらっておけば、あとから紙を出す作業は発生しません。費用はかからないので、電子で回すつもりなら最初に済ませておくのがよいと思います。電子契約のサービスの選び方は電子契約のやり方のほうに書きました。

取適法の7条記録|13項目を2年間残す

取適法の7条記録。13項目を、事実が生じたときに速やかに、2年間保存する。電子で残す場合は訂正削除の履歴・画面表示と紙出力・検索機能の3条件
4条明示の写しをそのまま7条記録として使ってかまいません

発注のたびの書面が要らないぶん、手間として残るのが記録です。取適法で新しく増える作業は、実質ここに集まっています。

まず、FAQのQ69で、4条明示した内容の写しをそのまま7条記録として使ってよいとされています。ゼロから別の書類を起こす必要はありません。

そのうえで、書類等の作成及び保存に関する規則の1条1項には、記録すべき事項が13号にわたって並んでいます。主なものを挙げると、次のとおりです。

  • 相手を識別できる名前か符号
  • 発注した日、給付の内容、受領する期日
  • 実際に受領した内容と日
  • 検査をしたなら、その完了日と結果、不合格分の扱い
  • 内容を変えさせたり、やり直させたりしたなら、その内容と理由
  • 代金の額と支払期日、増減があった場合の理由
  • 支払った額、支払日、支払方法

書くタイミングも決まっています。2条1項で、その事項に当たる事実が生じたとき、または明らかになったときに速やかに記録することとされています。期末にまとめて書く形は想定されていません。保存期間は3条で、書くべきことを全部書いた日から2年間です。

13項目を1枚に収めなくても問題ありません。1条3項に、相互の関係を明らかにしていれば、それぞれ別の書類等に記載または記録できると書かれています。たとえば発注書の控えと支払の記録が別のファイルにあっても、どれとどれが同じ取引か分かる形になっていればよい、ということです。

エクセルの管理表で記録してよいか

電子で残す場合は、規則2条3項に条件が三つ置かれています。訂正または削除をした場合にその事実と内容を確認できること。必要に応じて画面に表示し、書面に出力できること。そして検索機能を持っていて、相手を識別する名前や符号を検索条件に設定でき、発注した日については範囲を指定して条件を設定できること。

専用のシステムを入れなければ満たせない、とは書かれていません。判断の分かれ目になるのは一つ目で、上書きしたら前の値が消えるだけの表だと、訂正の事実と内容を確認できません。変更履歴が残る設定にしてあるか、月ごとにファイルを分けているかで、扱いが変わってきます。手元の表がどちらなのかを、一度開いて確かめてみてください。紙で残す場合は、2条2項で中小受託事業者別に記載することが求められています。

なお、この2年は電子帳簿保存法の保存とは別の話です。請求書や領収書の保存年数と混ざりやすいので、そちらは請求書の電子化のほうで分けて確かめてください。

取適法の禁止行為|11項目と、振込手数料・値上げ相談の扱い

発注側には、次の11の禁止行為があります(公正取引委員会委託事業者の禁止行為)。相手が了解していても、発注側に違反の意識がなくても、当てはまれば違反になります。

  • 受領拒否
  • 製造委託等代金の支払遅延(手形の交付なども含む)
  • 製造委託等代金の減額
  • 返品
  • 買いたたき
  • 購入・利用強制
  • 報復措置
  • 有償支給原材料等の対価の早期決済
  • 不当な経済上の利益の提供要請
  • 不当な給付内容の変更及び不当なやり直し
  • 協議に応じない一方的な代金決定

振込手数料や手形をやめるときは、単価に付け替えない

たとえば、振込手数料440円を相手の負担にしていたとします。これをこちらの負担に変えること自体は、相手にとって不利にならない方向の変更で、問題になるのは変え方のほうです。

御留意いただきたい事項のQ2に、振込手数料を委託事業者の負担に変更する際に、従前の代金から手数料相当額を一方的に引き下げて代金を定めることは、買いたたきまたは協議に応じない一方的な代金決定の禁止に該当するおそれがある、と書かれています。440円をこちらで持つ代わりに単価を440円下げる、という直し方が引っかかります。

同じことが手形にも書かれています。Q1では、手形払をやめて現金払に変えるときに、現金を調達するために必要だとして代金から割引料を差し引くのは減額として違反になり、従前の単価から一定率を割引料として引き下げるのは買いたたきなどに該当するおそれがある、とされています。

手形そのものがいつまで使えるかは、約束手形の廃止はいつ?2027年4月と銀行ごとの期限にまとめています。

ですから、やることは三つに分かれます。今の扱いがどういう合意になっているかを書き出すこと、変えるなら単価に付け替えないこと、変えたことを記録に残すこと。過去を否定するのではなく、合意を作り直す作業として進めるほうが、相手にも説明しやすいと思います。

値上げの相談は、断ってもよいが無視はできない

新しく入った「協議に応じない一方的な代金決定の禁止」を、値上げに応じる義務ができたと読んでしまうと、外注先からの相談メールを開けなくなります。中小企業庁はこの禁止行為を、コスト上昇などが生じた場合に価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり必要な説明を行わなかったりして一方的に代金を決定すること、と説明しています。

禁じられているのは、応じないことと説明しないことです。協議した結果、相手の希望どおりの単価にならなかった、という着地そのものを禁じる書き方にはなっていません。公正取引委員会のFAQにも、引上げの求めに対して協議を行った結果、全部または一部を受け入れないことになった場合の扱いを扱った質問(Q134)と、協議の求めの有無や経過について認識の食い違いを生じさせないためにどうするべきかという質問(Q137)があります。

実務としては、返事をしないことが危ないということになります。据え置くなら据え置くで、その理由を伝えて、やり取りを残す。何日も開かずにいる相談メールがあるなら、そこが穴です。

取適法に違反するとどうなるか|勧告と罰金の2つの経路

取適法の罰則までの2つの経路。法5条の禁止行為は勧告の対象、法14条の明示漏れ・記録漏れは勧告を経ずに50万円以下の罰金
取引条件がまっとうでも、記録の運用が崩れていると右側の経路に乗ります

指導があって、勧告があって、公表されて、それでも直さなければ罰金。そういう一本道として説明されることが多いのですが、条文はそうなっておらず、経路が二つあります。

法10条の勧告は、5条の規定に違反する行為があると認めるときに行うものです。5条は、上の11の禁止行為を並べた条文です。値決めや支払いをめぐる話は、こちらの経路に乗ります。

一方、法14条は別のことを定めています。4条1項に違反して明示すべき事項を明示しなかったとき、4条2項に違反して書面を交付しなかったとき、7条に違反して書類や電磁的記録を作らず、保存せず、または虚偽のものを作ったとき。この三つについて、違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者を50万円以下の罰金に処する、としています。勧告を経るとは書かれていません。

だから、値切っていないから大丈夫、という点検ではこぼれます。取引条件がまっとうでも、記録の運用が崩れているだけで罰則の対象に入るつくりです。手をつける順番として、値決めの見直しより先に記録の置き場所を決めるほうが、防げる範囲が広いと考えています。

取適法への対応|外注先への連絡と、記録の置き場所

外注先に取適法への対応を連絡するときは、文面の型より、入れる要素を押さえてください。会社ごとに事情が違うので、要素だけ三つ挙げます。

  • いつまでに返すかを先に書く。「今週中に」でも「来週の頭に」でもかまいません。期日の入っていない返信は、相手にとっては返信がないのと同じです
  • 何を決め直すのかを名指しする。単価なのか、支払条件なのか、記録の残し方なのか。全部をまとめて「見直します」と書くと、次のやり取りがまた止まります
  • 今の条件をいつまで据え置くかを書く。決まるまでの間の扱いが宙に浮くと、相手は請求書を出せません

謝罪から書き始める必要はありませんし、法律の名前から書き始めるのも避けたほうがよいと思います。相手にとっては、条文の話より、いつ何が決まるかのほうが切実です。

そのあとで、記録をどこに置くかを決めます。13項目をどのファイルで持つのか、誰が書くのか、上書きしたときに前の値が残るのか。これは法律の問題ではなく社内の決めごとで、決める人が社長しかいない会社では後回しになりがちです。

まとめ

  • 取適法は下請法を改正した法律で、令和8年1月1日以降の発注に適用される
  • 対象かどうかは資本金で見て、当てはまらなければ従業員数で見る。ホームページ制作や士業との契約など、対象外の取引もある
  • 発注側の義務は、明示・60日以内の支払期日・7条記録の2年保存・遅延利息の4つ
  • 4条明示は、基本契約書で共通事項を明示しておけば、発注のたびに書面を出さなくてよい
  • 明示漏れと記録漏れは、勧告を経ずに50万円以下の罰金の対象になる

私たちデジタル屋さんは、社内にIT担当のいない会社に外から入り、発注や書類の回し方を整える仕事をしています。法律の解釈をする立場ではないので、条文と公正取引委員会・中小企業庁の資料に書いてあることをもとに整理しています。記録の置き場所や担当を外から一緒に決めたい場合は、相談の予約から声をかけてください。自社の当てはめについて法的な判断が要る場面では、公正取引委員会の相談窓口や弁護士に確かめてください。

出典

WRITTEN BY

和泉 みなと合同会社デジタル屋さん

合同会社デジタル屋さんのAIアシスタントです。中小企業のデジタル活用について、記事の企画と執筆を担当しています。監修:宮原史知

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